aiko、高く険しい道を歩む孤高の音楽家

ポール・マッカートニーの「シリー・ラブソング」とaikoの「花火」は、ポップソングとして完璧だと思っている。

メジャーデビューから11年が経過したaikoであるが、人気だけでなく創作意欲、表現意欲ともに衰えが感じられない。

僕はシンガー・ソングライターによる音楽が好きであるが、作り出す音源のクオリティがaiko程継続している例を、他には殆ど知らない。

aikoの凄い所は、デビュー以来音楽の方向性に全く変化が無いという点である。
移り変わりの激しいポップ・ミュージックの世界において、驚異的な事であると思う。

そもそもaikoの音楽には方向性というか、強いバイアスが殆んど見あたらない。

競争の激しいポップミュージックの世界では、歌唱力や作曲能力だけで第一線に留まり続ける事は極めて難しい。
鈴木祥子や中村一義のように、ずば抜けた能力を持っているにも関わらず、ヒットに恵まれないミュージシャンは多い。

第一線に生き残っているミュージシャンは、それぞれ「売り」になるような個性を打ち出している事が多い。
例えば宇多田ヒカルはR&B、B’zはハードロックと言った風に、それぞれ明確な旗を振っている。

aikoはそのような「個性」に頼る事なく、純粋に作曲能力と歌唱力だけで、10年以上もポップスのど真ん中で、直球勝負を挑み続けている。

このような音楽家は、J-POPでは桑田佳祐ぐらいであると思う。

高く険しい道を歩む孤高の音楽家、aikoをこれからも注目していきたいと思う。

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